去年11月にみちびきの正式サービスが開始されたのに続いて、中国の北斗(BeiDou)も正式サービスが開始されました。みちびきが4機なのに対して北斗は41機と比較にならない数が打ち上っていて、測位衛星の数では米国のGPSを上回ってしまいました。EUのGalileoも26機打ち上っていて、空には測位衛星が130機以上も回っています。
急速に測位衛星環境が進化しているので、どんな感じになっているのか体験してみることにしました。
東京湾岸道路 浦安ジャンクション
東京湾岸道路と浦安駅と新浦安駅を結ぶ道路とのジャンクションで、まずはGPS、GLONASS、BeiDouの実力を確かめてみました。(Galileoは単独測位ができなかったので不戦敗です。)
浦安方面から新浦安方面にジャンクションを1周半して戻ってくるルートの結果はこれです!
赤のBeiDouの健闘が光るというか、青のGPSとほぼ同等の結果が得られています。オレンジのGLONASSは少し性能が劣る結果となりました。
それぞれの衛星配置と信号強度はこんな感じになっていました。
BeiDouは衛星の配置に偏りがありますが、性能は良い印象です。GLONASSは衛星配置も良く信号強度にも問題がないことから、GPSやBeiDouより確度性能が劣っていることが伺えます。
新浦安駅ブロック
浦安ジャンクションはほぼオープンスカイな環境でしたので、ビルなどの障害物があるところでも調べてみました。
測位衛星にGPS・みちびき・BeiDou・Galileoを使って、マルチパスの影響を減らす方法として信号強度でのフィルタ(38dB)を行った場合と、SBASを使用した場合を何もしない場合と比較してみました。
全体図でみるとどれもそれ程の違いはありません。
細かく見ると、フィルタをかけた方(青)がマルチパスの影響を受けていないことが伺えます。
しかし、フィルタを行うと測位に使用する衛星数が減るために、歩道橋や鉄道橋の下などで位置がズレてしまう弊害が起こってしまっていました。
また、SBASはGPSにしか効果を及ぼさないためか、明確な有効性を見いだせない感じでした。
ロータリー付近のSBASも含めた衛星の状況は上図のようになっていました。
秋葉原ヨドバシカメラ前のバスロータリーに面しているマクドナルドで、信号強度でのフィルタの影響を調べてみました。
ぼくが座っていた場所は赤丸を付けた”m”が書いてあるところです。
BeiDouは南側に衛星が偏っていて、マクドナルドの窓がちょうど南側だったのでBeiDouを使って調べました。
計測時の衛星配置はこんな具合です。
信号強度でフィルタしない場合と30dBでフィルタした場合で、それぞれ10分間計測した結果はこうなりました。
静止していて衛星の受信状況が変わらない場合、測位に必要な衛星数が確保できれば信号強度でのフィルタは有効な手段と言えそうです。
今回の使用機器など
ハードウェア
- GPS/GLONASS受信機(Galileo/BeiDou可)u-blox M8搭載 秋月電子 ¥2,480
- 超小型USBシリアル変換モジュール 秋月電子 ¥600
- Lenovo ideapad 720S
ソフトウェア
おわり